NEW QUILTING PATTERN
2021.08.31 Tuesday
これまで、W-DAYシリーズで使用してきたキルティングパターンに新たなパターンが加わりました。
そこで、既存のパターンをTYPE-Aと名称変更し、新パターンをTYPE-Bとしています。
TYPE-Aは、ミリタリージャケットやヘルメットバッグの裏地に使用されている波柄にダイヤ柄をミックスしたミリタリーイメージのオリジナルパターンです。
曲線が柔らかさを出し、帆布の素材感と相まってどこか温かさを感じるパターンとなりました。
TYPE-Bは、70年代頃のEDDIE BAUERのシューティングジャケットに採用されていたパターンです。
本来はパターンの天地が逆で、細かいダイヤ柄が上部に配置されており、おそらくは負荷のかかる肩部分の補強の意味合いもあったのではないかと思います。
バッグとしては、二重底に加えてどちらかというと負荷のかかりやすい下部に細かいダイヤ柄をあて、切り替え部分がまるでグラデーションのように印象的なパターンとなりました。
どこか温かみのあるTYPE-Aと、エッジの効いたTYPE-Bでまったく表情の異なるパターンとなっています。
ここで、少し製作現場の話。
キルティングステッチは、ナイロンなどよく裏地に使用されているのを見かけることがありますが、これは専用のキルティングマシーンというものがあって、大量に生産する専門の工場があります。
大量生産向け、そして多くはナイロンなど薄手の素材に使用されているため、20番の太番手の糸が使えなかったり、パターンが少なかったりといろいろな制限も出てきます。
帆布にキルティングステッチをかけようと思い立ってから、少量だからいいかなと手間を惜しまず時間をかけ、いっこうに商品は上がらない。
いつの頃か、工場にお願いしたらどうかと助言をいただいたことがありましたが、やっぱり帆布には20番手のステッチが合うし、面白いパターンでないとやる意味がない。
ということで、こればっかりは労力をかけるしかないと開き直ることに。
” GENTON “
2021.02.13 Saturday
オリジナル素材のTUF-WHITEを作るきっかけとなったのは、このバックパックです。
以前こちらでもご紹介したUSMCのジャングルパックで、アジャスタを多用し容量によってサイズを調整することが可能です。
その扱いづらそうな感じと独特な風貌に一瞬で魅了されました。
1940年代当時の現物を実際触ってみると、使い込まれて生地がだいぶ柔らかくなっています。
製作にあたり、これを通常の帆布で作ろうと思った時、荷物が比較的多い時はいいのですが、少ない時に形が安定せずクタッとなってしまうのではないかという懸念があり、断念していました。
完成したTUF-WHITEは、生地のハリ感があり形が安定するとともに、8号帆布の糸規格なので硬さに対しての重さも感じません。
まさにバックパックなど大きなアイテムに適している素材と言えます。
ずいぶん時間がかかってしまいましたが、思い通りの仕上がりとなりました。
ROYAL MAIL MESSENGER BAG
2021.01.26 Tuesday
今回ご紹介するのは、英国ROYAL MAILのメッセンジャーバッグです。
お客様のご要望もあり、サンプル資料として取り寄せました。
メッセンジャーバッグは現在ではとてもメジャーなアイテムとなり、様々なブランドが製作するようになりましたが、本来の郵便配達員が実用として使っていた頃のモノは、どこか簡素で無駄がなく、良くも悪くも大雑把な部分に魅力があると思います。
特に大きめのサイズ感は、通常使いには持て余してしまうことがほとんどだと思いますが、なぜか荷物が少なくても体にフィットする感覚と視覚的にも独特なバランスの良さを感じます。
実はメッセンジャーバッグの歴史をたどると、郵便配達員のために作られたものが起源ではなく、電話架線工事夫のために生産されたショルダーバッグが由来と言われています。
そこからメッセンジャービジネスの拡大に伴って改良され、体を動かしながらも使いやすい自転車乗りのためのバッグは生まれました。
今回、SILVERではサイズ感や昔ながらのメッセンジャーバッグの仕様をそのまま残して製作したいと考えています。
オリジナル帆布「 TUF-WHITE 」を使った第一弾アイテムとなります。
1970s REI DAYPACK
2020.06.15 Monday
1970年代のREI(RECREATIONAL EQUIPMENT INC)のデイパックです。
鮮やかな赤色にところどころの汚れや、レザーのくたびれ感が50年という歴史を感じさせてくれます。
REIはアメリカ西海岸のシアトルを本拠地とするアウトドアブランドで、創業は1938年となっています。
70年代当時のバックパッカーが使うにはサイズが小ぶりなので、ハイキングなどちょっとした荷物が必要な時に使ってたんでしょうかね。
女性にもちょうど良さそうなサイズ感で、大きなフラップをバックルで留める仕様や両サイドのポケットのバランスなど今では見かけないデザインも自分好みです。
そして雰囲気抜群なネームタグ、42TALONのファスナーなど、まさにその当時にタイムスリップしたような気分にさせてくれます。
U.S MEDICAL BAG
2020.03.28 Saturday
ミリタリーのメディカルバッグです。
ショルダーバッグですので、サイズはそこまで大きすぎず、素材に薄手のナイロンを使用しているので軽量です。
フラップを開けると3つのコンパートメントに分かれており、パタパタと折りたたむ仕様が特徴的です。
細かい医療品を分類し、そして取り出しやすく設計したらこんなになったのでしょう、、
実際にモノを入れてみると少し収まりが悪いので、サイズ感や仕様など使いやすく修正してみようと思います。
面白いバッグですね、、好みです。
#6 CANVAS
2020.03.16 Monday
今回、新しい商品を考えるにあたって、7,8年くらい前に製作した6号帆布のトートバッグの使い込んだ感じを見直しました。
6号帆布はもともとは肉厚がほどほどでしっかりとしていますが、洗いを何度も繰り返し、かなり使い込むととても柔らかくなっています。
本体上部やポケット口など波状のパッカリングが出て、帆布のクタッとした感じと汚れとが自分的にはいいバランスで出ているなと感じます。
新しい形はツールバッグとして表面にポケットを多用させ、使い込んでこのくらいになるという想定のもと仕様を決定します。
1940s U.S.M.C JUNGLE PACK
2019.12.13 Friday
40年代頃のUSMC、M-1942またはM-1943 ジャングルパックです。
まず、なかなかの数のアジャスタを調節して使うこの面倒そうな外観にやられました。
サイズ感は想像よりも案外小さく、実際、既存のバッグの容量不足を補うために開発・採用されたバックパックのようです。
また、大戦当時は複雑な製作工程からすぐに他のアイテムに取って代わり、元々の生産数も極めて少ないとあります。
確かに、これだけアジャスタが付いてたら大変ですが、その使うひと手間も個人的には嫌いではありません。
U.Sのステンシルもしっかりと残り、トップのジッパーポケットに手書きされたロゴがなんとも味わい深いです。
1940s UNKNOWN CANVAS BAG
2019.11.18 Monday
おそらく1940年代頃の用途不明のキャンバスバッグを入手しました。
何枚かのパーツをはぎ合わせた丸みのある独特な形状はこれまで見たこともありませんが、軍物であればキットバッグのような使い方をされていたのでしょうか、、大きさもかなりの容量感です。
キャンバスはしっかりと打ち込みがあり、もとの色は生成りだったのかわかりませんが取っ手のオリーブと非常にバランスがいいバッグです。
何よりファスナーの開口部分が大きく、荷物の出し入れが容易であるのも魅力的です。
こういったバッグを見つけるとなんだか楽しくなります。
50s Boy Scouts of America Rucksack
2019.08.25 Sunday
50年代のボーイスカウトのリュックサックです。
素材のキャンバスはしっかりとしていますが少し薄め、日本の帆布でいう8号くらいでしょうか。
形状はどこか日本のランドセルに通ずるような長めのフロントをかぶせる仕様で、マチが広めのボックス型です。
サイドに無数のDカンが付いており、荷物の分量によってマチ巾を変更したり、ロープを通してブランケットを挟んだり様々な使い方をするのだろうと思われます。
マチ巾をフルに使えば、見た目以上に収容量があります。
フロントのフラップ付きのポケットもこのリュックの大きな特徴ですが、実際に使用する際はストラップをいちいち外すのが面倒でしょうね、、。
時代背景が異なるので現代のリュックとは作りも違いますが、マチ巾の調整など面白い部分もあります。
何より、歴史を感じるロゴスタンプやネームのデザインがかっこいいですね。