” ENZO “
2019.08.10 Saturday
いろいろなお客様とお話していると、やはり人それぞれ、必要とされているバッグも多種多様だとつくづく思います。
性別、年齢、仕事、遊びなど、そしてその用途により、たとえばサイズ一つとっても、全ての商品をあらかじめ用意しておくことはできません。
ただ、帆布の特性(らしさ)など考慮して、今の流れを酌んだサイズ感や機能性などで商品を提案していくことは必要だと考えています。
いつもは、ある程度使用される場面を想定して製作をはじめることが多いのですが、今回はこれまでのお客様の声を反映して今の自分が最適と思うサイズ感と機能バランスを取り入れることにしました。
ただ、純粋に自分が今使いたいバッグとも言えますが、おそらく男女問わず長く使用できるバッグとなっております。
” SSS “
2019.07.29 Monday
ヴィンテージのコールバッグの仕様で、より乱雑に使い倒せるバッグを製作したいと考え、そのままプレーンも良いですが、今回あえてオリジナルのステンシル総柄でインパクトを持たせてみました。
もともとTシャツの柄もミリタリー(軍物)がはじまりで、おそらく若い兵士が自分らしくアレンジしようと、ステンシルやら手書きの絵を加えてみたりしたのでしょうか。
配置のバランスを考え、文字のかすれ具合は調節できませんが(笑)、武骨で男らしいアイテムとなりました。
きっと、使っていくほど汚れとステンシルがまた良い味を出してくれるはずです。
Trapper Nelson’s Indian Pack Board
2019.06.14 Friday
50~60年代頃と思われるトラッパーネルソンのパックボードです。
現代のバックパックの原型と言えるような、木製のフレームが目を引きます。
文献によれば、米国シアトルでLloyd F . Nelsonが1922年にこのパックの特許を出願し、米国でのパックの歴史の中で初めて量産された外枠パックであったとあります。
そのおよそ30年後に、KELTYがアルミフレームを採用して軽量化を図っています。
もともとは狩猟の際に、獲物を持ち帰るための木製のボードだけだったものですが、荷物を運びたかったネルソンさんが改良してキャンバスのパックを取り付けたのでしょう。
なので、本体の細長い針金を取り外すと、木製のフレームとキャンバスのパックは2つに分かれます。
Indian pack boardとあるので、古くは先住民が使っていたボードが原型になっているのかもしれません。
大きさは、少し小さめでボーイスカウトのリュックと同じようなサイズ感です。
日本の古い背負子にも通ずるところはありますが、木とキャンバスの2つの素材のバランスが面白いです。
work apron
2019.04.13 Saturday
小さなポケットがたくさん欲しいというお客様の依頼でワークエプロンを製作しました。
エプロンにもいろいろな形がありますが、使う人によって要望は様々でカスタムの要素がたくさん詰まったアイテムだと感じます。
生地の厚さ一つにしても、それを変えただけでガラリと雰囲気が変わります。
少しづつバリエーションを増やしていこうと思います。
Hanten coverall CHAD
2019.03.23 Saturday
SILVERはじめてのアウターは、半纏をベースにしたカバーオールジャケットです。
ポケットの仕様は、古着のPay-dayを参考に丸みのある曲線を採用しました。
クセのある半纏のノーカラーを全体的に、どこかやわらかなイメージを出したかったためです。
基本的に考えた用途は、アウトドア、DIYなど作業用がメインで10号帆布のほど良い柔らかさが、ジャケットの上にも軽く羽織れる着やすさを感じさせます。
そして、気兼ねなくガンガン着用して洗濯することも出来る肉厚ですので、経年の風合いを考慮して二重環の巻き縫いを多用しました。
背面のツールポケットもこのカバーオールの特徴的な部分の一つです。
どちらかと言えば、汚れ、帆布の黄ばみやヤレ感が出るほど着込んでほしいアイテムが完成しました。
backpack now at work
2019.02.24 Sunday
何年も前から昔のバックパック(というか、リュックサック)を収集しておりますが、帆布(生成り)を使った場合の形のイメージがどうしても湧いてこなくて、いつも製作は手つかずになっておりました。
現在、主流なナイロン素材のように軽量で防水性を備えているわけではありませんが、あえてそこはくよくよ考えずコットン100%の素材感を生かした形状で作ろうとようやく構想が決まりました。
本体はSILVERでは最も分厚い4号帆布をあえて使用します。
汚れる前提でバックパックを使う人などいないと思いますが、どうせ汚れるなら最も使用感が出て風合いが増すのは4号帆布だと思ったからです。
もちろんその分、重量感も増しますが、それ以上に風合いを重視します。
無駄な装飾は極力さけ、ロールトップと、いろんな意味で少しオールドスタイルでいこうと思います。
完成まであと少しです。
full aging custom tote
2019.02.08 Friday
使い方によって表情の出かたは色々ですが、おそらく車の整備士が工具を大雑把に放り込んで使っていたであろうイメージでUSED加工を依頼しました。
錆汚れ、オイル染み、全体的な色の黄ばみ、ボタンのアタリなどリアルに再現しています。
細かい部分まで手を抜かない職人の手作業が、最終的に組み合わさって一つとなり、実際に使い古したようなアイテムを作り上げています。
汚れが気になる人は大部分かもしれませんが、あえて汚れ感を加工で表現する人なんていないですよね。
白の可能性をまだまだ感じます。
RUCKSACK
2019.02.02 Saturday
今では見ることのない横長のドスンとした形状に魅了されて、何年も前に購入したものです。
日本の「片桐」という会社で製造されたキスリング型と呼ばれるもので、現在主流の縦長のザックが登場する以前、戦後から昭和の終わり頃まで広く愛用された登山用のリュックサックです。
その独特な形と大きさから、パッキングには慣れが必要だったようです。
随所に使用されている分厚いレザーパーツはすべて手縫いで頑丈に取り付けられ、製造者のこのリュックサックに対する強い思いが伝わってきます。
何十年かたった後にも色褪せることなく、逆に輝きを放つプロダクトに感動します。
” LIFE IS A CANVAS “
2019.01.10 Thursday
CANVASには2つの捉え方があり、一つは素材としての帆布(キャンバス)、そしてもう一つは絵を描くキャンバスという意味があります。
自分自身で使って出す色をコンセプトに、「LIFE IS A CANVAS」で使用する帆布は白(生成り)としました。
わたしは個人的に、帆布本来の色は白(生成り)だと思っています。
もちろん雨が降れば濡れますし、汚れだって付きます。
大体の人が多いに気にする部分だとも思います。
ですが、昔のBELLSYSTEMなどヘヴィーキャンバスのツールバッグが汚れてボロボロになっても魅力的なのは、長い年月を過ごし耐えてきた凄みが伝わってくるからだと思います。
SILVERでは、たとえオーバースペックになっても頑丈な帆布を使用します。
そして、使用を続けた時の経年変化を想定しながらデザインにフィードバックし、丈夫で長く使用できるモノづくりを行います。